電子版

第44号
早稲田大学東久留米稲門会
  
   平成21年1月10日発行
   発行責任者  市川 英雄
   編集責任者  井坂 宏

   e-mail : w_higashikurume@nifty.com
    http://homepage2.nifty.com/35292/

                 会長挨拶
                            東久留米稲門会会長 市川英雄
 新年おめでとうございます。昨年は当会へのご協力とご支援をいただき、ありがとうございました。本年もよろしくお願い申し上げます。
 母校早稲田大学は、創立125周年を終えて、「Waseda Next125」と題する5年10年後を見通した中長期計画の施策が取り組まれております。
 この間、早稲田大学と東京女子医科大学が連携設立した先端生命医科学センターを見学しましたが、人工心臓を開発して、実際に活動する人体に装着している例などを知り、新分野への進出におどろきました。
 早稲田大学「第二世紀宣言」の中で、世界の未来を創る大学を目標としておりますが、大いに期待できると思います。
 ところで、現在、世界同時大不況の真只中にあり、社会が停滞しております。わが国は過去にいろいろな経験をして、乗り越えて発展してきました。このたびも、いつか不況を克服して、また日は昇る時がくることを確信しております。
 本年も交遊を深めて、さらに会を進展させましょう。みなさまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます。


会の告知板

    1月21日(水)   お誕生会      17:30〜    東久留米「やるき茶屋」
    1月24日(土)   平成21年新年会  18:00〜    成美教育文化会館
    2月 1日(日)   役員会       13:30〜    中央公民館
    2月18日(水)   お誕生会      17:30〜    東久留米「やるき茶屋」
    2月22日(日)   袋詰め作業     10:00〜    中央公民館
    3月20日(金)   臨時役員会     13:30〜
    4月 5日(日)   平成21年度定時総会          成美教育文化会館
               14:00〜  文化講演会
               15:30〜  総会
               17:00〜  懇親会


[大学・校友会関係]
○10月29日(水)東京23区支部・東京三多摩支部合同会長会が開催され市川会長が出席した。
白井総長の挨拶後の質疑応答で司法試験が振わなかったこと等が話題になった。
○11月8日(土)清瀬稲門会総会が開催され、当会からは市川会長、菱山副会長が出席した。
 参加者約30人。第12回を迎えた市・市民を巻き込んだオペラ観賞が突出した活動になっている。
○11月16日(日)東村山稲門会総会が開催され、当会からは市川会長、井坂副会長が出席した。
 会長が三宅良太氏から小亀輝雄氏に交替した。
○11月22日(土)早稲田大学商議員会が開催され、当会からは市川会長、菱山副会長、平山事務局長が出席した。早稲田大学と東京女子医科大学との連携による先端生命医学センターが4月に開校しており、その見学と梅津光生センター長と橋本周司理工学部院長によるロボットの講演があった。
○11月24日(土)東京三多摩支部大会が立川グランドホテルで開催され、当会からは7名が出席した。全員で約250名が参加した。「ラストゲーム最後の早慶戦」の監督神山征二朗氏の講演があった


[会の報告]
○ホームカミングデイ・稲門祭に参加して
10月26日(日)45年目のホームカミングデイの式典に45年振りに会うことになったF君と参加した。お互いジジイなったが直ぐに打ち解け話は尽きない、式典は記念会堂で1000人位が参加、総長、校友会代表幹事等の挨拶に始まり校歌斉唱まで滞りなく進行した。F君は45年振りに校歌を歌ったそうだ。その後稲門祭会場に行き様変わりした校内を見学し、屋台で仕入れた酒とつまみで乾杯!
稲門祭は三多摩支部が主管で立川、日野がこれに当たった。大隈庭園内にも初の三多摩のブースが設けられた。朝のうち小雨模様で出足が心配されたが6000人の参加があったそうだ。当会から実行委員に塚越、橘の両会員、ブースの運営に安次峰会員が参加、更に福田会員がバオバブ煎餅200袋を持ち込み完売したという。次回は2009年10月18日(日)である。
                               (平山正徑記)


○第29回「ウォーキングを楽しむ会」
 山手線一周めぐりの第4回目のウォーキング、今回は渋谷から広尾、恵比寿、白金台、そして目黒と閑静な住宅街を歩く。
 路地を行くと、おしゃれなビル、マンション、古い建物の民家、神社などのコントラスト、変わり行く街のウォッチングが新鮮で飽きさせない。建物の間から木々の紅葉が秋を奏でている。アップダウンの多い街であったが、参加者11名全員、なぜか足取り

やわらかい日差しとキリリと澄んだ空気の中で
が軽い。やわらかい日差しとキリリと澄んだ空気がそうさせているようだ。何といっても圧巻は「国立自然教育園」だ。公園というより森林とよぶべき自然のままの姿を残している。こんな身近に、こんな大自然があったなんて・・都心部にありながら20万ヘクタールの広大な敷地に樹齢数百年の樹木が生い茂り、公園というより森林とよぶべき自然のままの姿を残している。16〜17世紀の豪族の住居跡があり、その
後江戸時代には高松藩主松平讃岐守頼重の下屋敷、明治時代は陸軍、海軍の火薬庫、大正時代には御料地、戦後は天然記念物として認められ昭和37年に自然教育園として開園したという。凝縮された紅葉の美が池の水面に映える。古木たちは永年の間、何を見、なにを考えて生きてきたのだろうか。落ち葉を踏みしめながら先人たちを思う。タウンウォッチング、人工美のガーデンプレイスそして自然にふれた充実した一日であった。締めくくりの打ち上げで楽しい時を過ごしたことは言うまでもない。歴史あるウォーキングの会。実行に先立っていつも下見をしてくださっている久家さん、森田さんを始め幹事の方々のエネルギーを得てこれからも益々充実した会になっていくことだろう
     紅葉のひとひらが音もなく散って、はや晩秋           
                                (大島勝典記)


○映画鑑賞会
「シェーン」  11月27日(木) 午後2時   成美教育文化会館
 初めて西部劇をとりあげてみました。
 当鑑賞会は中・高年の女性客が多いため、動員が懸念されましたが8分のまずまずの入りでした。(いつもより男性客が多かった)
 この映画は1953年の製作で、当時西部劇は全盛でしたが、なかでもこの作品は日本人に最も愛され親しまれました。西部劇は日本で云えば時代劇に当たり、悪を懲らし弱者を救う勧善懲悪の任侠劇だったからです。
 又、この映画の魅力は役者が揃っていることです。主役のシェーンを演ずるアラン・ラッドの早撃ちなどの格好良さ、農夫婦と息子、不気味な殺し屋など適材な役者にその持ち味を出させたことです。
 監督のジョージ・スティーブンスンは前作「陽の当たる場所」でも分かるように人物と風景を的確に捉えています。この作品でもカラーの色調に遙かなる山など随所に名場面があります。又ビクター・ヤングの音楽もこの映画の完成度を高めました。
 映画終了後、多大な拍手が起こったのも、感動をみんなが共有したからでしょう。
                                  (米光慶二郎記)


○お誕生会

11月のお客さんはどなたでしょうか

お客さんのいないお誕生会でした


○講演会
 12月6日(土)3時より当会会員米光慶二郎氏による「司馬遼太郎の世界」と題する講演会が開催された。氏は以前にも「松本清張」についての講演も行っており、さらに映画鑑賞会のプロデュースも手がけるという文化的に多彩である。
 講演は司馬遼太郎が産経新聞の記者をしていた初期の頃から活躍の時代を3期に分けてそれぞれの時代の代表作品についての独自の感想を含めた説明で大変興味深く聴くことが出来た。
 今回は久しぶりに一般の方々を含めて約50名位の参加があり、会場がほとんど埋まる盛況であった。
 講演会に一般の人も含めて大勢の方に参加してもらうには、演題の中身と共に周知方法にも関係するのではないか。今回は映画鑑賞会の会場に講演会のパンフレットを置いてPRしたことと、司馬遼太郎ということで、大勢の方が来られたのであろう。
 映画鑑賞会のときのパンフレットで知ったということで、司馬遼太郎と産経新聞の記者時代に一緒に仕事をしたという方が参加され、司馬遼太郎から頂いたという色紙等を持参して来られ、普通では聞けないような話を聞くことが出来たのも会を盛り上げた。

久しぶりに盛況になった講演会でした


部会だより

女性サークル

本年度の女性サークルの部会長をさせて頂いております石寺美弥子でございます。
その器では無いのですが、母校の為に同窓生同士の親睦の為に、何かしらお手伝いできればとこの役をお引き受け致しました。私は稲門会に入会して近所に沢山お友達ができました。映画、コンサート、美術展等々、ご一緒して下さる親しい方々が今では多くいて、この稲門会に入って本当に良かったと思っております。この会に一人でも多くの方々が入会して、特に女性の方にはサークルで女学生に戻って楽しい時間を過ごして頂きたいと思っております。                        
      (石寺美弥子記)


散策山歩き部会
 晩秋の日和田山・高麗神社を巡るハイキング
 11月21日、この春雨天のため順延となったハイキングが、絶好のハイキング日和に恵まれ、決行となる。総勢11名が東久留米駅より、所沢、飯能と乗り継ぎ、10時過ぎに高麗駅に到着する。駅前広場で、まずストレッチで身体をほぐし、日和田山山頂を目指す。鹿台橋を渡り、参道に入る頃、少々汗ばんでくる。紅葉

空の青さが印象的です
の舞い散るなか、落ち葉を踏みしめながら歩むうちに、道は2つに分かれる。
一般組は女坂を登り、健脚組は男坂に挑戦する。金毘羅神社前で小休止する。予定どおり12時前に山頂に到着する。頂上での記念撮影を終え、再び景観の良い神社前に戻り、昼食。くっきりと澄み渡る、乾燥した空気と、眩しいほどの陽光をいっぱいに受け、至福の時を過ごす。遠方に、真っ白に雪をかぶった富士山、大山などの山々が、眼下には高麗川に囲まれた巾着田を望む。
 今回のハイキングコースは、当稲門会設立の翌年・平成8年10月に、登山の先達・竹村さんをリーダーに歩いたところである。
その折りには、本年逝かれた坂本先生、深澤 さんも、まだまだお元気な姿で参加されておられ、故人を偲びつつ、過ぎ去った12年の歳月の速さを感じ入る。澄み渡る青空の下、清々しい空気を満喫しながら、下りの山道を慎重に歩を進める。奥武蔵の紅葉・黄葉を心ゆくまで楽しみながら、高麗神社、聖天院へと向う。ひと際、神社境内の銀杏の黄葉が陽光に映え印象的だ。巾着田沿いに駅に向かう。高麗駅15時51分発の電車で帰途に着く。途中所沢の"ななかまど"で反省会(?)を行ない、来年の山歩きの希望などを話し合う。
 ここで今年の山歩きは"無事"お開きとなる。               (川上f一記)


ゴルフ部会
「第10回東久留米稲門会・三田会合同ゴルフ会に初参加して」
11月11日群馬県下の玉村ゴルフ場にて総勢19名で開催されました。

稲門会、三田会19名の面々。1人は?
天気はあいにくやや肌寒い曇り日で、我が稲門チームは前回までの劣勢続きにリベンジすべく心を引き締め参加しました。久しぶりのコンペで互いに和やかな雰囲気で談笑したり練習した後、カート5台に分乗しアウト・インの両コースに分かれてプレーが開始されました。終了後表彰式および懇親会が市内の「志乃」で6時から開催されました。
順位は新ペリア方式で、個人優勝は三田会の南さん、準優勝も三田会の種田さん、対抗戦も接戦の末無念ながら僅差で今回も敗れ、わが稲門チームは次回こそ「打倒好敵三田会」を合言葉に勝利を誓い合いました。ベストスコアーは当 会実力No1の上原さんで81と見事なスコアーでした。初参加の私はお陰様で一日楽しくプレーをし、心身共にリフレッシュ出来ました。是非一人でも多くこの楽しい会にお気軽にご参加ください。                   (青柳成彦記)


囲碁部会
 平成20年11月29・30日に囲碁合宿を、西秩父小鹿野のひなびた旅籠風の宿、「越後屋旅館」で行った。囲碁の宿を自称するだけあり、対局場は

8名並んで記念撮影
ゆったりとしたイス席で、その他の設備も完備されていた。料理は、鍋あり、イワナ・ヤマメ、山菜料理など地元の食材によるもてなしでお酒もすすんだ。地の利もあり、来年の開催地として有力である。参加者は8名で、ハンデ戦による総当りとした。戦績は優勝小仁井八段、準優勝苅草九段、三位中道六段で昨年と全く同じ順位で上位者が賞を独占した。平素の大会から、下位者の奮起をうながす意味で上記の3氏に土をつけた人には「金星」として金一封を出すことになった。
 12月6日(土)には、慶応大学創立150年記念「オール早慶囲碁フェスタ」が市ヶ谷の日本棋院会館で行われた。昨年は早稲田大学の125周年を記念し125人対局を行ったが、今回はそれを上回る150人対局で、対抗戦としては空前の規模といってよいであろう。当部会からは、苅草・小仁井・辰巳の3氏が参加し親善を深めた。戦績は慶応が勝ち、150周年に花を添えることとなった。
 12月21日(日)には、例会後「鮮之庄」で忘年会を行い一年を締めくくった。 
                                     (辰巳徳蔵記)


俳句部会
平成20年11月16日(日)  第101回句会      男女平等推進センター
兼題  「初時雨」 「石蕗の花」
 高得点句
       
繋がれしままの小犬や初時雨   桜庭  明
初時雨ひとりでに点く街路灯   松田 博雄
石蕗やかすかに聞こゆ囲碁の音   川島 知子
束の間の低き日差しや石蕗の花   三田 畔巣
主役には向かぬ女優や石蕗の花  河村 洋子
小春日の真昼隣家の電話鳴る   神田 尚計
落葉掃く額に一つ日照雨かな 桜庭  明
留守詣涎掛けして神の牛     松尾 良久


平成20年12月21日(日)  第102回句会      中央公民館
兼題  「クリスマス」 「マフラー」

マフラーに鯛焼くるみ家路急く            神田 尚計
マフラーに屈託埋めて医者通ひ            三田 畔巣
くさめして思い出したる薬の名      三田 畔巣
喪の便り眠れぬままに古日記           比護喜一郎
輝きしアメリカいずこクリスマス             市川 英雄
タータンの赤いマフラー爺の粋              安宅 武一
踏切に堰かれ師走の背並ぶ        神田 尚計


郷土研究会
平成20年12月5日、低気圧が通過するとのことで2、3日前より天気の心配をしつつ、今日の見学も極力雨の降り出す前に終了させたいと思い駅に向う途中、東久留米市郷土資料室学芸員の山崎さんから、「竜巻を伴った猛烈な風雨の低気圧が愛知県を通過しこちらに向っていますが、今日の見学は予定通り開催しますか」と問合せあり、「楽しみにしている人が大勢いますから、」と回答。但し竹林公園は省略することにした。今日のポイントは天気との競争である。
 総勢23人、一人を除いて午前10時には全員集合し、多聞寺・みずべ公園・氷川神社の前を通り、南沢湧水公園林内を通過、

重要文化財のライトの設計した建物の前で
水道局に午前10時30分到着、東京都職員の方3名が出迎えてくれた。小峰浄水施設担当係長より、南沢浄水施設について説明あり、・この浄水施設は、深井戸3箇所、浅井戸1箇所の施設があるが、水道を供給しているのは浅井戸から。東京都の水道基準は全国で一番厳しく深井戸は現在基準に達していないので、利用に向け研究中である。なるほど昔に比べ水道の水ははるかに美味しくなっている。・水道の供給について多摩川と利根川の水を東村山浄水場に集めて、この浄水施設に送り、この浄水施設から汲み上げる水とブレンドし東久留米駅付近の世帯に供給している。但しこの浄水施設の水の割合は1割程度。他の地域は滝山浄水施設から供給される。住民として全地域の供給を検討してもらいたい。説明の後、施設内を見学、紅葉があちこちに残っていて美しい。春も桜がいいだろう。湧き水が砂のなかでもくもくと舞い上がる。水を汲むモーターの音が聞こえた。もう一人と合流、華屋与兵衛でランチ。天候が気になり予定より約1時間はやく東久留米駅で東久留米市山崎学芸員と落ち合い、見学資料が配布され、中島飛行場工場への引き込み線を通って自由学園へ向う。風が強くなってきた。途中、落合川の旧河川の跡地、立野緑地の説明をいただき、自由学園に到着、同学園施設担当宮井さんより、時おり雨に降られながら、校内建物施設の案内をいただき一巡する。まず目に飛び込んできたのは、色とりどりの紅葉、瀟洒な白亜の歴史的建造物、校内には、小川が流れている。東京の近郊にこんな別世界があるとは!四季にそれぞれの趣がある。春の小川、春にも是非訪れたい。 参加の女性陣は、自由学園の生徒の手作りのパンやクッキーをおみやげに、男性陣の有志は、慰労会へ。少し雨に降られたが本日の見学は無事に終了、なんとか天気に対応できた。ご多忙の中お世話をいただいた方に感謝を申し上げたい。また、時期を見て春の実施も検討したい。
            (高橋 哲男記)
 追伸:郷土研究会では、市内を中心に郷土に関連する名所、建物等を企画し見学会の開催をいたします。興味ある事項がありましたら、郷土研究会・高橋までご連絡お願いいたします。現在テーマにしたいことは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」にでてくる「常盤寮」が昭和28年に東久留米市に引越ししています。NHKテレビ放映の状況をみてから検討する予定です


ラグビー観戦会
11月23日(日)対抗戦ラグビー早慶戦が秩父宮ラグビー場で開催され、藍原、井坂、伊東、橘、塚越

この様な所から観戦しました
の5名が観戦した。昨年の早慶戦は非常に寒かったということで寒さ対策は万全を期して行ったが、この日は晴れて風も無く絶好の観戦日和だった。神宮外苑の銀杏並木が黄葉し、沢山の家族連れが出ている中を秩父宮ラグビー場へ急ぐ。正門入口で5名が落ち合った。藍原さんはさすがに手回し良く、ウィスキー、お湯、紙コップを用意していて早速ウィスキーのお湯割りを飲みながらの観戦となる試合は、前半は慶應が善戦し10−7と慶應リードで終ったが、後半は早稲田が実力を発揮してトライを重ね逆転、34−17で快勝した。試合終了後両校がお互いに校歌を交換し、久しぶりに慶應の校歌を大声で歌った。ラグビー場に行って実際の試合を見るのは初めてであったが、テレビで見ているのとは違って臨場感があり、雰囲気も伝わってきて大変楽しかった。試合終了後のラグビー場近辺の飲み屋はどこへ行ってもラグビー観戦の流れで満員である。それにも拘わらず、ちゃんと場所を見つけて打ち上げをやったことはもちろんである。
                  (井坂 宏記)



会員リレーエッセイ〉〜噴水広場〜


               坂本竜馬の銅像と早稲田
                           山ア 敬雄(S31 政経)


 私はいま、イゴッソウ本家、故郷の土佐の高知に滞在している。
 高知市を流れる、いく筋かの川が浦戸湾に集まり、太平洋にそそぎこむところの一方が桂浜であり、太平洋を一望する東側の小高いところに龍馬の銅像がある。
 「よさこい節」で唄われる「・・月の名所は桂浜・・・」は銅像のやや後方。

桂浜に立つ坂本龍馬の銅像
の高い演説をされていた。この方が、父の中学の2年先輩で、弟さん(入交好脩先生)が早稲田の商学部教授(のちに学部長)であることは知っていたが、その当時はウカツにも銅像のことは知らなかった。このお話は、ゼミ仲間である44年(院)の斉藤善久さんからいただいた、彼の著書の中にあった。さっそく彼に電話をして、「この方は好脩先生のお兄さんだよ」といったら、今度は善久さんが跳びあがった。いいお話だと思うのでいつかご紹介したいと思っていたし、もし皆様が高知にこられることがあれば、早稲田OBとして胸をはってこの銅像をあおぎみてほしい。 以下のメッセージは昭和63年5月桂浜で行われた龍馬銅像還暦のお祝いに司馬遼太郎さんから寄せられたもので、龍馬像建立の発起人の一人である好保さんがご自身の90歳のお祝いに屏風に揮毫、龍馬記念館に寄贈したものである。


             メッセージ  〜 銅像還暦によせて 〜
                                     司馬 遼太郎


  銅像の龍馬さん、おめでとう。
 あなたは、この場所を気に入っておられるようですね。
私もここが大好きです。世界じゅうで、あなたが立つ場所はここしかないのではないかと、私はここに来るたびに思うのです。
               ( 中 略 )
 昭和初年、あなたの後輩たちは、あなたを誘って、この桂浜の巌頭に案内してきました。 
 この地が空間として美しいだけでなく、風景そのものがあなたの精神をことごとく象徴しています。
 大きく弓なりに白い線をえがく桂浜の砂は、あなたの清らかさをあらわしています。この岬は、地球の骨でできあがっているのですが、あなたの動かざる志をあらわしています。さらに絶えまなく岸うつ波の音は、すぐれた音楽のように律動的だったあなたの精神の調べを物語るかのようです。そしてよくいわれるように、大きくひらかれた水平線は、あなたのかぎりない大きさを、私どもに教えてくれているのです。
 『遠くを見よ』
 あなたの生涯は、無言に、私どもにそのことを教えてくれました。いまもそのことを諭すがように、あなたはE茫たる水のかなたと、雲の色をながめているのです。
 あなたをここで仰ぐとき、志半ばで斃れたあなたを、無限に悲しみます。
                 ( 中 略 )
 私は三十年前、ここに来て、はじめてあなたと会ったとき、名状しがたい悲しみに襲われました。そのときすでに、私はあなたの文章を通して、精神の肉声を知っていましただけに、そこにあなたが立ちあらわれたような思いをもちました。
 『全霊をあげて、あなたの心を書く』
と、そのときつぶやいたことを、私はきのうのように憶えています。
 それよりすこし前、まだ中国との間に国交がひらかれていなかった時期、中国の代表団がここにきたそうですね。
                  ( 中 略 )
そのなかの一人の女性代表が、あなたを仰いで泣いたといわれています。その女性代表はあなたについて多くを知っているはずはないのですが、あなたの風貌と容姿をみて、あなたのすべてと、あなたの志、さらには人の生涯の尊さというものがわかったのです。
                   ( 中 略 )
 あなたは、そういう私どものために、志をもちました。そして、途半ばにして天に昇ったのです。その無念さが、あなたの大きさに覆われている私どもの心を打ち、かつ慄えさせ、そしてここに立たせるのです。
 さらに私どもがここに立つもう一つのわけは、あなたを悼むとともに、あなたが、世界じゅうの青春をたえまなく鼓舞しつづけていることに、よろこびをおぼえるからでもあります。
 『志を持て』
 たとえ中道で斃れようとも、志をもつことがいかにすばらしいかを、あなたは、世界じゅうの若者に、ここに立ちつづけることによって、無言で諭しつづけているのです。
 今日ここに集まった人々は、百年後には、もう地上にいないでしょう。あなただけはここにいます。百年後の青春たちへも、どうかよろしく、というのが、きょうここに集まっているひとびとの願いなのです。私の願いでもあります。
 最後にささやかなことを祈ります。この場所のことです。
あなたをとりまく桂浜の松も、松をわたる松籟の音も、あるいは岸打つ波の音も、人類とともに永遠でありますことを。
        ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ 
11月15日は、龍馬とともに近江屋で散った中岡慎太郎のご命日でもある。
その日、私はこのお二人に献杯することにしている。
 もしおつき合いいただければ、幸甚これに過ぎるはありません。(好保演説調)





東稲広報室


  俳句部会の皆さんから平成二十一年を迎えるに当たって新年の句を頂きました
       東久留米稲門会俳句部
                  平成二十一年 正月句
 
杯に浮く金箔をめで年酒かな        安宅 武一
初春や七十年の牛歩かな 市川 英雄
初日の出車上で平和を祈念する 大川 浩仙
観音と結ぶえにし縁や去年今年 大久保泰司
初富士に思わずあがる孫のこえ歓声 川俣 栄一
願いごと一つにしぼり初もうで 川島 知子
初比叡借景にして曼殊院 河村 洋子
若水を汲んで墨跡臨書かな         神田 尚計
日溜りに雀遊べりお元日          桜庭  明
末吉は枝に咲かせて初御空        三田 畔巣
初富士や波乱の時代幕あけし        橘  優治
森羅万象一つ一つに初日さす        棚野 愛子
病む友に学生言葉の年賀状         馬場 清彦
初詣うしろ姿に覚えあり            比護喜一郎
麗江に雪山映える初日の出         藤田 貞夫
友の顔浮かぶ手書きの年賀状       本間 信一
お飾りや昆布ゆたかに展べし床       松尾 良久
どの木にもおなじ日あたり年立てり     松田 博雄


東稲広報室
○昨年11月3日に行われた2008年秋の叙勲で、当会会員である早稲田大学名誉教授榎本隆司先生が「瑞宝中授章」を授章されました。心よりお慶び申し上げます。
○新しい会員が入会されました。
  片岡 洋 (S49商) 
○当会会員の坂本信太郎様におかれましては、平成20年9月28日逝去されました。
 謹んでご冥福をお祈り申上げます。
 なお、当会規定により香典を送らせて頂きました。
○「早稲田大学理工学部百年通史」及び「早稲田大学理工学部百年写真史」が送付され、事務局に保管しています。また、早稲田大学創立125周年記念写真集・DVD、校友会支部・稲門会記念誌が当会に贈呈されています。ご覧になりたい方は事務局にご連絡下さい。なお125周年記念写真集は1セット8,800円で発売中です。



(編集後記)○あけましておめでとうございます。今年が会員の皆様にとってよい年でありますようお祈り申し上げます。昨年はアメリカ発の世界同時不況の中で暮れました。日本でも大量の派遣労働者の解雇が社会問題になっています。いつまでも政局とばかり言っていないで、早く全うな政治でこの難問に対処して貰いたいものです。○今年は年末から9連休という方も多く、遠出をされた方も多かったのではないでしょうか。編集子は1日だけ浅草の観音様に行ってきました。雷門から仲見世を通って浅草寺の境内まではものすごい人の数で動きがとれず、1年を良い年にしたいと願う善男善女で溢れていました。世相柄今年は特に多かったのでしょうか。"仲見世を膨らましたる初詣"(井坂)