電子版

第39号
早稲田大学東久留米稲門会
  
   平成20年3月10日
   発行責任者  市川 英雄
   編集責任者  井坂 宏

   e-mail: w_higashikurume@nifty.com
    http://homepage2.nifty.com/35292/


会の告知板

   3月19日(水)    3月お誕生会     17:30〜    東久留米「鮮乃庄」
   3月20日(木)    臨時役員会      13:30〜    成美教育文化会館
   3月30日(日)    ウォーキングの会    9:35   東久留米駅2階中央改札口
                高田馬場から戸山ガ原一帯を歩く
   4月 6日(日)    第14回定時総会   14:00〜    成美教育文化会館
                文化講演会 14:00〜15:15 
                 講師  国米家己三氏(S31政経卒、当会会員)
                 演題  「中国が"世界の工場"ならば日本は"世界のアトリエ"」
                総会    15:30〜16:30
                 平成19年度事業報告、収支決算報告、監査結果報告
                 平成20年度事業計画、収支計画
                懇親会   16:40〜18:30
   4月15日(火)    ゴルフ部会                新武蔵丘GC
   4月16日(水)    4月お誕生会     17:30〜    東久留米「鮮乃庄」


[大学・校友会関係]
○早稲田大学創立125周年記念事業募金
 当会募金総額  2,772,150円  
内会員積立て分 2,272,000円、会からの募金分 500,150円
 当市校友全体としては、依頼額20,310,000円に対して、1/29現在14,712,087円
 依頼額に対して72.4%  三多摩平均は70.2%で26稲門会中12番目である。
 募金締切りは3月末なのでさらなる上積みをお願いする。
○3月23日(日)14:00〜17:00国立市立第一中学校体育館にて、白井総長と田勢康弘氏
 (政経卒、元日本経済新聞論説副主幹)の対談を三多摩支部主催で開催する。
 



[会の報告]

○第25回ウォーキングを楽しむ集い
12月18日(火) 平成19年最後のウォーキング「神奈川宿歴史の道散策とキリンブルワリーツァー」はのどかな日よりにめぐまれ、ウィークデーにもかかわらず14名が参加した。

生麦事件の跡で記念写真
 神奈川宿は日本橋を出て品川、川崎に続く三番目の宿場町です。この神奈川が一躍有名になったのは日米修好通商条約の締結の舞台となり、開港場と決められたからです。我々は京浜急行神奈川駅下車、駅近くの高台にあり、往時は海を眼下に見る事ができたであろう本覚寺(アメリカ領事館)他、寺社が立ち並ぶ各国の居留地域を散策した。しかし関東大震災と第二次世界大戦の二度の災害により歴史的遺産はその面影もなく、当時の各国の公使館、領事館跡の石碑があるのみで、あの寺をどのようにして利用していたのか想像するしかないが、資料によると松の木は枝を切り払って星条旗を掲げ、本尊は板囲いで覆い、山門をペンキで塗り日本人の立入を禁止したとある。そして起こるべくして起こった象徴的な「生麦事件」の現場となった。その隣が反省会々場の広大なキリンビアビレッジです。丁寧な工場案内の後、試飲に続きビレッジ内のレストランでできたての各種ビール、いつもより豪華な料理で乾杯!!!
 今回で会の運営を長らく指導された土屋さんから次の方へバトンタッチ、長い間「楽しいウォーキングの集い」有難うございました。       (松崎 博記)

○平成20年新年会

最後は恒例の「都の西北」
  1月26日(土)18:00より成美教育文化会館大研修室で開催した。出席者43名。恒例の"おでん"が大好評で、その他寿司、刺身、野菜サラダ等盛沢山。飲み物はビール、日本酒、ウィスキー、焼酎、ウーロン茶と飲み放題。テーブルのあちこちで人が集まり、話に花が咲き大変楽しい新年会であった。最後は大矢会員のリードで全員で「都の西北」を
歌って散会した。


○映画鑑賞会
 「禁じられた遊び」 2月13日(水) 午後2時〜  市民プラザホール
 久しぶりの市民プラザホールで、また5年振りにフランス映画を取り上げました。この会場は狭いため(補助席を入れて150席)来場者の数が読みにくく悩みの種になっています。
 今回はよく知られている作品なので、DM、チラシを極端に抑えました。
 当日はロビーで「耐震相談」があり、予定していた予備の椅子が10脚ほど取られ、又お客さまが1時間前から並び始めましたので大変心配しました。しかしながら菱山さんが宣伝物を抑えたのが効き、立見2人と程よい満員で上映できました。
 映画は60年程前の古い作品で有名な俳優も出ていません。子供の眼を通した静かな反戦映画で、観る人に涙の感動を与えました。
 監督のルネ・クレマンは、日本で言えば黒沢 明と同時代の人ですが映画歴は古く、アバンギャルドから入り、ドキュメンタリー →文芸もの →サスペンスものと多彩な活動をしました。
 この映画はドキュメンタリー タッチで撮った最後の作品だと思いますが、「ベネチュア国際映画祭」で圧倒的な人気を博し見事グランプリを受賞しました。(その前年が黒沢 明の「羅生門」でした)
 この映画の見所はテーマの良さもさることながら、少女ポーレット役を演じた5歳のあどけない可愛らしさ(ブリジット・フォッセイ)と全編を流れる哀愁を帯びたギター音楽でした。この音楽の影響で日本でもギター演奏のブームが起こったと言われています。
 次回はまだ未定ですが、設備と会場が快適な成美教育文化会館のホールを予定しています。
  (米光慶二郎記)

○お誕生会
 1月のお誕生会
 16日(水)いつものように17:30より「鮮乃庄」にて開催。今月は大川さん、松崎さん、平山の3名のお祝いで、応援団は7名。初めて2桁の賑わいとなりました。圧巻は大川さんの人生に立ちはだかる荒波に対処しつつ、生きていくための用意周到さをお伺いできたことでしょう。大島さんのハーモニカ演奏でHappy Birthday to you を歌い早慶アニバーサリーバッグをプレゼントされました。

 2月のお誕生会
 20日(水)同じく「鮮乃庄」。2月は帆角前会長、市川会長、橘さん、馬場さんの4名と応援団7名。
過去最多でした。2月生は・・・と自慢話や、甘酸っぱい思い出の奥様との出会い話から政治問題等々話題沸騰し3時間余、締めは恒例のハーモニカによる「紺碧の空」・「校歌」でお開きになりました。
           (1月・2月平山正徑記)

1月:いつもは応援団の松崎さん、平山さんが主役です

2月:今までの最多の出席者となりました
○六大学野球早慶戦観戦会
 春季 5月31日(土)、秋季 10月25日(土)に実施する。


[部会報告]
○女性サークル
 新年度から部会長が山岡会員から石寺会員に交代する。3月17日(月)辰巳会員の令嬢京子さんによるホームピアノコンサートを山岡邸で開催する。定員12名。
○散策山歩きの会
 5月24日(土)を予定している。行き先は未定。秋は11月に予定。
○ゴルフ部会
 春秋4回実施。内2回は三田会との対抗戦。その他、東村山稲門会より合同コンペの申し出があった。
 4月15日(火)新武蔵丘GCにて例会を開催する。
○囲碁部会
 毎月第4日曜日が定例部会。西東京稲門会からの参加もあり、交流の機会が増えている。
○俳句部会
 今までは不定期開催であったが、今後毎月第3日曜日を定例部会とする。春秋吟行を行なう。
○書道部会
 毎月第2日曜日が定例部会。今年も市民文化祭に出展する。
○太極拳の集い
 盆暮れを除き、毎週土曜日10時より成美教育文化会館ギャラリーで開催。
○グルメ部会
 3月25日(火)下町名物の天丼と落語の会を予定している。
○郷土研究会
 5〜6月頃市内名所散策を予定している。
○カラオケを楽しむ会
 7月、12月に2回実施。シダックス東久留米店が閉店になったので、新しいところを検討中。
○芸術鑑賞会
 3月4日(火)日フィルコンサート。切符は20枚完売。
○ラグビー観戦
 新入生の入部式や練習を井草ラグビー場に見学に行く企画を検討中。



部会だより


○俳句部会

   平成20年1月20日(日)  第91回句会  男女平等推進センター
    兼題  「七種(七草)」 「冬晴(冬うらら)」
     高得点句(3点句以上)
   冬うらら水鳥も浮寝の隅田川  川俣 栄一
   来てうれし帰ってうれし冬うらら  川島 知子
   願い事ひとつにしぼり初もうで  川島 知子
   路地裏の落葉溜りや猫の床  川俣 栄一
   雪国の雪積みしまま貨車還る  三田 畔巣
   寒の入りバス待つ人は足踏みし  安宅 栄一
   農道に自販機一つ冬麗  桜庭  明
   七種や古社に伝はる大かまど  河村 洋子
   七種の粥にひと振り七味の朱  神田 尚計
   紅のいろ少し濃いめに初鏡  河村 洋子


   平成20年2月17日(日)  第92回句会  男女平等推進センター
    兼題  「薄氷」 「梅」
     高得点句(3点句以上)
   編みたての地蔵の帽子春寒  三田 畔巣
   紅梅や絵馬に丸文字志望校  三田 畔巣
   文豪の遺愛の書斎梅の里  河村 洋子
   うすらひを飛び跳ね破る緋鯉かな  大川 浩仙
   ときめきのある日々来たれ梅開花  川島 知子
   荒れ果てし寂庭に芽吹く蕗の薹  大川 浩仙


○ウォーキングを楽しむ会

紙面にゆとりが出来たので、以前のウォーキングを楽しむ会を写真で辿ってみました。


平成18年10月9日武蔵国分寺跡

平成19年2月12日小石川植物園

平成19年6月17日旧古河邸

平成19年10月21日大宮花の丘公苑




会員リレーエッセイ〉〜噴水広場〜

                 ふるさとへの回想
                               苅草正守(36年政経)
 梅雨が明けて七月に入ると海の青さが一段と濃くなります。船端から海中に白いタオルを浸すとそのまま紺青に染まりそうな深い色合いをたたえる黒潮です。静かな海面に見えて、ときには時速2km以上もの速さで流れて、船体を根こそぎ突き上げるような力強い動きを見せる黒潮の本流なのです。沖合から眺める八丈島の海岸線が一層輝きを増す季節でもあります。
 大学1年の夏、帰省中のある朝カヌーに乗って海へ出たことがありました。帆を張って半日ほども沖へ沖へと走ると水平線が丸く見えて遠くに島影がかすむ海だけの世界になります。特に目的があるのではなくて、海面上50cmほどのカヌーの腕木に板を渡して太平洋のド真ん中でしばらく昼寝をして帰るだけのことです。目を覚ますと、驚いたことに、鯨の群に囲まれていました。八丈島には数種類の鯨が回遊してきますが、やや小さい小型の抹香鯨でなくて大型のせみ(背美)鯨の大群です。
 カヌーのすぐ脇の海中からグーンと盛り上がると小山のような巨体が尾の方までヌルヌルと流れ動いて尾ビレが水面をバシーンとたたく、そのような光景に四方を囲まれていたのです。海上には目印がないのでかなり先のものが手を伸ばすと届きそうに近くに見えます。あの巨体に当たったらカヌーなどはバラバラになる。遠くの島影まで泳げるだろうかなどという怖さと、自然の持つ迫力に感動した思いがありました。あのような自然の脅威と豊かさがいまだに残っている島なのです。
 東京湾から真南300km。室戸岬と同緯度にあるこの島は温暖・亜熱帯の植物群が混生していて、伊豆大島とほぼ同じ広さを持つ南海の火山島です。八丈島は長い年代をはさんで、異なる島になるはずの海底噴火が接続して一つの島になりました。東西に新旧二つの山頂があり、小さな離島には珍しく古い地層からの湧水が豊かで、中央部には水田が耕作できるような平坦地が広がっています。造山活動期が離れているため地層が二分されていて、古い地層には金・銅その他の鉱物(微量で採算性はない)があり、沖合から海岸線を見上げると何カ所か緑青(銅の露出)を見ることができます。新しい方の山頂(八丈富士)に登ると独立峰のため上空半円の虹でなく、下方を含む全円に近い虹が眺められます。全国有数の降雨量のせいで、ハワイのように良く虹を見ることができる島でもあります。その八丈富士の山麓には熔岩流によって造成された巨大な地下洞窟が広がっています。気候が温暖で65歳以上の住人が約30%。かって「女護ヶ島」という伝説があった島ですが、今は老人達にやさしい島へと変貌しつつあるようです。
 ここは流人の島でした。記録に残る流人第一号は関ヶ原の戦いで敗れた宇喜多秀家とされています。大名であったため何名かの家臣を伴って配流されたと言われています。配流史の初期には政治・思想犯など上流階級の武士や知識人が多く流され、流人と共に武家社会の風習が移入されて島の風俗や文化に影響を与えたようです。伝統芸能の一つである八丈太鼓は両刀を差すことが出来なくなった武士が2本の刀をバチにかえ、望郷の念を込めて太鼓をたたいたと言われるもので、初めは勇壮に響き、やがてそこはかとない哀愁を帯びた音色が伝わって来る調べで、このような伝承文化がいまだに残っています。
 流人の中に近藤富蔵という人物がいました。彼は刑期を終えて江戸に送還されると、まもなく八丈島へ渡航移住して生涯を島で終えた人です。彼が記述した「八丈実記」(全36巻イラスト入り)は島の歴史・風物の多岐に渡る地誌で、江戸時代における八丈島の全貌を伝えるのみでなく、江戸そのものの在りようまでも伝える貴重な文献です。
 「八丈島」という響きの中からはいくつもの回想が生まれてきます。亜熱帯性の気候の混在によるユニークな動植物群・海上竜巻の恐怖・黄八丈(絹織物)の歴史と固有の染色・波長150mを越える巨大波浪・噴火で形成された豪快な熔岩台地や地下洞穴・岸壁の狭間に揺れる夜光虫の幻影・風速40mを越える毎年の台風・海底にひそむ奇抜な景観など枚挙出来ないほどです。人口一万人を割り、娯楽・観光施設も少なく若者には見はなされがちの静かな離島ですが、ここは固有の自然と文化に囲まれた心豊かな島なのです。




原稿募集
 東稲ニュースでは、会員の皆様の原稿を募集しています。
 内容は、エッセイの他、絵画、写真、陶磁器・人形等の創作、詩、短歌、俳句等、本紙上で発表できるものなら何でも結構です。また、最近読んで感銘を受けた本の感想、得意料理のレシピ等もお寄せ頂きたいと思っています。東稲ニュースに発表することで本紙をより身近に感じて頂けたら有難いことです。東稲ニュースに掲載されたい方は、東稲ニュースのタイトルの所にあるメールアドレスにメールして頂くか、編集委員の誰にでもかまいませんのでご連絡下さい。
 現在の編集委員は菱山、神田、松崎(博)、鮎貝、森田、井坂、平山、河村、塚越の各会員です。


(編集後記)○今号は部会の活動が少なかったせいか、紙面にゆとりが出来たので過去のウォーキングを写真で辿ってみました。大変楽しい会なので、この写真を見て新しい人が参加されることを期待しています。○毎年梅の季節に熱海のMOA美術館で尾形光琳の国宝紅梅白梅図が公開されます。2月のある日見に行きましたが、ウィークデーで早い時間であったせいか誰もいない部屋でじっくり観賞できて大変素晴らしかったです。観梅の余韻紅梅白梅図。(井坂)