第70回 ウォーキング(H31.2.4宝登山 蝋梅<ろうばい>園)の活動報告
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ウォーキングで最初に宝登山を訪れたのは3年前(H28.1.28)である。厳しい寒さに凍ついた日々が続く中、その日だけ奇跡的な青空の暖かい日和となり、標高497mの宝登山山頂周辺の約15,000㎡の敷地に咲き乱れる3,000本の蝋梅を巡り歩いた。蝋梅の黄色を透かして、雪に覆われて真っ白な秩父の街を見下ろしたことも思い出された。この時参加出来なかった方々のご要望を受けて昨年2度目の宝登山を企画したが、寒さと積雪の為に断念。今年天候を気にしながら3度目を企画したところ、これまでとは打って変わって雪は全く無く、春到来と間違う程の気温に恵まれて、参加者15名(男11女4)は、冬のお花見を大いに楽しんだ上に、帰りの下り道では陽春の心地良いウォーキングを堪能した次第です。
冬に咲く花木の代表種と言える蝋梅の名前の由来としては、花がロウ細工のように美しいという説を始め幾つか言われている。植物学的には、梅の仲間ではなく、ロウバイ科ロウバイ属で中国中部原産の高さ3~4mになる落葉低木。彼の地では古くから梅・水仙・山茶花(日本の椿)と共に「雪中四友」の一として画人文人に愛されたが、日本に入ったのは遅れて江戸時代になってからという。唐梅(からうめ)の別名もあるが、古歌に詠まれた例は無く、和歌の作例は近代以降に限られるようだ。花言葉の「ゆかしさ」「慈しみ」は、まだ花の少ない冬期に、そっと黄色い花を咲かせる蝋梅のひかえめで奥ゆかしい姿にちなむといわれる。蝋梅園を巡った趣を表したいところだが、自分には俳句を作る才が乏しいので、先人の句の中に、今回のウォーキングでの鑑賞に合うものを捜した。
蝋梅を過ぎくる風に吹かれをり 宮本道子 雑誌:酸漿(2003.04)
蝋梅の香の中につと入れり 大山妙子 雑誌:酸漿(2003.04)
宝登山神社を参拝。今から約1,900年前の日本武尊の東国平定物語に神社の由来があり、東征の際に神武天皇・山の神・火の神を宝登山に祀ったのが起源と伝えられている。秩父地方にある狼犬(ニホンオオカミ)信仰の神社でもある。平成21年に改築された壮麗な本宮が麓に鎮座、山頂には狛犬ならぬ狼犬が護る奥宮がある。山火事に遭遇した尊が神犬の神助を得て、無事に宝登山に於いて神霊を祀られた事が神社創建の始めであり、防火守護の霊験がある火止山(ほどさん)神社が建立され、後に宝登山神社に変名されたという。
長瀞駅から土産屋を冷やかしながら、路地を進んですぐにある「岩畳」を訪れた。日本列島が大陸から分離する遥か以前、2億年前に海底下数十㎞で生成された岩石が変成作用を受けた後に隆起し、結晶片岩として地表に表出して扁平な岩石の連なりとなったもので、荒川の雄大な流れに沿った壮大な岩の連なりが畳のように見えるところである。人間の歴史を遥かに超えた自然の営みの中に抱かれて立ち尽くすだけであった。
東久留米に戻り、恒例に則り、打ち上げで締め括った。 東海俊孝記
追:「甲州街道を歩く」1月と2月は、厳しい寒さの為に、3月以降に延期しました。
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