第91回 ウォーキング (R5.7.10) 【行田市 古代蓮の里】
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東久留米駅から、西武線、武蔵野線、京浜東北線を経由して、高崎線に乗って所用1時間半、午前中に開花し午後には蕾に戻ってしまうというハスの花を見落とさないように、壮年期を忘れられぬ元気な13名(男8、女5)が打ち揃って、行田駅に降り立った。隣接する熊谷市が37.8℃を記録したという猛暑報道の中、気候が良ければ約8㎞のウォーキングとなるところだが、降り注ぐ真夏の日光にもめげない観光客で満員な観光拠点循環バスに乗り込み、古代蓮の里を目指した。
行田蓮(古代蓮)は、「古代蓮の里」近くの公共施設工事の際、掘削池でハスが自然開花したものである。タネのあった地層の測定から、約1400~3000年前のものと推定され、行田蓮と呼ばれるようになった。その後、公園整備が進み、「古代蓮の里」として1995年に開園した。古代蓮は、一般的には「大賀ハス」*が有名であるが、(*昭和26年に千葉市にある東京大学検見川厚生農場落合遺跡で発掘された、今から2000年以上前の古代のハスの実から発芽・開花したハス)、行田蓮とは直接の関係はない。
公園内には古代ハス池や水生植物園、水鳥の池とハスが咲く池が複数あり、我々もそれぞれでハスの花を満喫してから、一画にある日陰のベンチで弁当をつかった。「開花のピークとなる7月半ば前後は、まさに花の中にいると極楽浄土の佇まいを感じることができるかもしれません。」との説明が、信仰心に乏しい身にも、現実味を帯びて感じられた。
仏教でよく蓮の花が出てくるのは、阿弥陀経に、極楽には蓮の花が咲いていると説かれるからだそうです。なぜ蓮の花なのかと言うと、蓮の花の五つの特徴(蓮華の五徳)が正しい信心の特徴に合っているからだという。生きているときに正しい信心を得た人は、極楽の蓮の台(うてな)に忽然と生まれると説かれているそうだ。僧正遍照は、「世間の法に染まざること蓮華の水に在るが如し」(法華経)を引用して、蓮の花を古今集で詠んでいる。
「蓮葉(はちすば)の にごりに染(し)まぬ心もて なにかは露を玉とあざむく」(僧正遍照)
筆者はハスの花の素晴らしさを表現する力に乏しく、母校大先輩の歌に頼りたい。
「いまは早や こぼれむとする くれなゐの 蓮の花あはれ くもり日のもとに」(牧水)
ハスに関わる蘊蓄を二つ。1)ハスは咲く際にポンという音がするという俗説:ここの関係者の方々も音がなるかどうか、早朝の開花前から聞き耳を立てて確認したそうですが、未だに誰一人聞いた人はいないそうです。やはり俗説だろうということのようです。
2)ハスのタネは相当に硬いそうです:その硬さが千年以上もの時を経ても発芽する要素なのかもしれません。ここでの古代蓮の復活も、工事の際に偶然に種子に傷がつき、深い眠りからの覚醒、そして発芽に繋がったのではないか、と言われています。
ハスに関する資料の解説がある古代蓮会館には50メートルタワーがあり、ここに登って、
田圃(たんぼ)アートを見下ろした眺めが素晴らしかった。
今年の田んぼアートは、映画『翔んで埼玉PartⅡ』の2023年全国公開を記念し、映画の主要キャラクターとコラボレーションしたデザインとなっていた。絵柄はGACKTさん演じる「麻実麗(あさみれい)」の左側。二階堂ふみさん演じる「壇ノ浦百美(だんのうらももみ)」が右側。この2人が田圃の中に浮き上がって迫って来たのが圧巻であった。6月には、このアート作成の為に、公募ボランティアなど総勢535名が田植えを行ったということである。
帰路は湘南新宿ラインで一挙に池袋に出て、打ち上げをした。 東海俊孝 記
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