ソートレークシティで行われた冬季オリンピックは、残念ながら日本勢の惨敗に終わった。しかしフィギュア女子の村主章枝選手(すぐりふみえ早大教育学部3年)の五位入賞は見事だった。三回転のジャンプの度に手に汗して声援を送ったのは私一人ではないだろう。また現役時代から引き続いてノルディックで活躍している萩原健司選手(北野建設)に心から御苦労様とねぎらいの言葉を掛けたのも私一人ではなかったろう。
二人とも早稲田の後輩だ。身内の活躍ぶりを見るだけで胸が詰まる。
オリンピックが終わり、今や受験シーズン真っ最中である。大学も試験中堅く門を閉ざしていたが、やっと終わって平常に戻った。幸い今年の学部志望者数は、11万人を超え、昨年比約4,000人増加したようだ。少子化で定員を確保するのに苦労している学校もあると聞くが、早稲田大学は教職員の努力のお陰で、研究・教育の充実と伝統の復活とが相俟って人気が回復して来たことは、ご同慶の至りである。
また卒業シーズンでもあり、母校からも約一万人の卒業生が社会に巣立ってゆく。勿論四月には新入生がほぼ同じ数だけ入って来る。卒業生は勿論校友会の対象者であるし、新しく改正された校友会規則では、現役学生も準会員となる。東久留米市在住者の中にも対象者がきっといるに違いない。我が稲門会も直ちにこれらの方々に呼びかけを行いたいのだが、残念ながらプライバシーの問題もあって、正確さとスピードの点で我々の能力を超えている。
現在、市内在住者は約千名を超えるが、会員はこの内約170程度に止まっている。しかも年配者が比較的多い。会員を増やしたい、若い現役の会員を増やしたい。と役員の皆さんはご苦労を重ねている。しかし言ってみればこれは贅沢な望みかも知れない。
社会で活躍している現役の校友の殆どは職域稲門会に属している。職域(会社)には定年制度があり、やがて定年を迎え、職域を去って行く。それから帰って行く所、それが地域の稲門会である。校友会本部がこの数年間、地域稲門会作りに力を入れてきたのは実はそのためでもあったのだ。現役校友には職域での存分の活躍を期待しよう。その活躍の成果こそが早稲田大学の世間の評価を高からしめることになるのだ。
そして職域を去った以降、今度は地域稲門会に属して、従来の経験や知識を生かし、会員や地域市民に役立つ活動をして行く。地域稲門会には定年がない。これが東久留米稲門会の役割なのだ。
私の同級生の何人かは、地域稲門会で活躍している。会社を定年退職、以降稼業の米店の店主に収まった友人は、昨年末、餅つき大会兼忘年会を企画実行して大好評を博したと近況を書いてくれた。他の友人は、月一回の稲門会囲碁部の例会を何よりの楽しみにしているという。ある稲門会の会長に就任している友人は、創立125周年の募金集めで苦労している。何とか期日までに総額を125万円にしたいと言っている。
私は今年で卒業後50年目を迎える。10月20日の「ホームカミングデーと稲門祭」でそれらの仲間達との再会を今から楽しみにしている。
|