地域防災力への取組み
〜東久留米自主防災研究会の活動〜
   

 第15回東久留米雑学塾
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講演要約


   
講師 荒川 正行氏
      
  当会会員
     38年商研(博)卒

 
  
         
       平成16年12月5日
        
成美教育文化会館


 
 現在東久留米自主防災研究会の中心メンバ−となって活動されている荒川正行氏にご登場願い、防災面から見た東久留米市の現状と自主防災研究会の活動の一端を統計資料などに基づいて具体的にわかりやすくお話しいただいた。新潟県中越地震からまだ2週間も経っていない時でもあったため、参加者は熱心に聴き入った。

 はじめに:15回を数える当雑学塾は各講師の専門分野若しくは専門外でも永年のライフワ−クの一端が披露されたものでしょうが、これからの話はここ数年間の見聞を基にした底の浅い内容にすぎません。しかし、本日の機会を頂き「地域防災力強化」は自分自身の問題であると同時に皆さんにとっても共通の課題と思われるので、敢えてお話しする次第です。

【T】防災面から見た東久留米の位置づけ
(1)東久留米市は比較的安全な土地との認識が行政の一部にもあるようだが、地震に対する危険度の把握はマクロ的でなく少なくとも町丁目単位でチェックする必要がある。少子高齢化社会に突入し、当市も65歳以上の比率が25%を超す地域が10町丁目に及び、今後も増え続ける傾向にある。当市の人口構成で注意すべきは昼間と夜間人口の差が周辺各市より大きいことである。即ち通勤・通学で都心等に流出する人が多く、そのため万一地震が昼間発生した場合、子供や高齢者を守る立場の成人が非常に少ない。子供でも中学生や元気なお年寄りは援護する側に廻って貰う平素の仕組みづくりを真剣に考えなければならない。
(2)当市の防災体制はどうなっているのか。都下26市の中で防災担当課を持たぬのは僅に3市(係レベル)のみ。人口10万人以上では区部も含めて東久留米だけという現状が端的に当市の姿勢を物語っていよう。
(3)一方市民レベルの活動はと見れば、自主防災組織の加入世帯数は市全体の15%にすぎず、全国平均の61%と比べるとギャップの大きさに驚かされる。

【U】東久留米自主防災研究会の活動状況
(1)当研究会設立の背景は「あした通信」の記事に譲るとして、地震列島に住む我々の行動はどうあるべきか。先ず自らを守り家族を守るにしても、寸断された少数では無力だけに、防災の仲間づくりが必要不可欠になる。  そこで「防災まちづくり学校」を立ち上げ、その常設化を市に働きかけた。15年度から実施にこぎつけ、昨年24名、今年22名の受講者が熱心に参加してくれている。受講者は男性の多くが定年退職者、女性は子育ての区切りがついた主婦層で、今後の課題は若い人達にどう働きかけて行くかにある。
(2)市民自主企画講座という中央公民館の制度を利用して「防災講座」を開
催(昨年4講座119名、今年3講座88名参加)。
(3)先方のニ−ズに応じての「出前講座」に今後力を入れて行く予定。昨年5件に対し今年は19件と積極展開中。


おわりに:研究会活動の長期路線としては「防災ひとづくり」、短期戦略としては現有の防災資源(人・物・組織)の横の繋がり=防災ネットワ−クの構築が急がれます。本日は残念ながら時間もなく、充分詰めてない点もあるためネットワ−クに関しては割愛させて頂きます。防災は間口の広い問題なので、我々研究会の仲間が別の形で話す機会を与えて貰えれば幸いですし、又一人でも多くの校友諸氏にアピ−ルしたいと願っています。