「語らい会」事始め
 私は一昨年四月、古希記念に「語らいの会」の旗揚げをしました。多少の知的好奇心や向上心を楽しみながら、中高年の人たちが愉快に話し合える場を作りたいとの思いからでした。
 市の広報紙や地域紙にも予告してもらい、三十名の会場を用意し、もっと多くの人が来た場合はどうしようかと、そればかり心配していたのに出席者はたったの三名でした。万が一のことを思い、最初だけでよいからと嫌がる人を無理にきてもらった友人八名と合わせ十一名の寂しいスタートでした。
 その後、会の存在もしだいに知られるようになり、公民館の認定講座にも組み入れられ、出席者も三〜四十名と安定してきました。昨年私が「登山文学散歩」の話をしたときは、太田春之助さん(当会副会長)のご斡旋により稲門会の皆さんも十名以上ご出席いただき、会場いっぱいの七十名と新記録でした。
 会はおもに文化、教養、健康などの話題をとりあげてつき一回講演会を行い、それを中心に話の輪を広げるように心掛けています。
 会の存在についてはマスコミなどで報道されることはありませんでしたが、先般、産経新聞が生涯学習サークルの問題を記事にしたなかで「語らいの会」をとりあげてくれました。
 それがPR効果を生んだのでしょうか、過日、都の外郭団体で多摩三十一市町村対象の「TAMA市民塾」(府中市)から問い合わせがあり、「山と文学」シリーズで四月から九月まで六回、講演することになりました。その中の一つ「山と酒を愛した牧水と山頭火」の話を九月ごろの「語らいの会」でもしたいと思います。
 ご存知のように若山牧水と種田山頭火はともに稲門出身で、山、旅を愛し、日本で歌碑、句碑もずばぬけて多いナンバーワン同士、人々から深く敬愛されている詩人です。当日はぜひ多くの稲門会の皆さんにお越しいただけるよう、今からお願いしたします。
 また、「語らいの会」を稲門会の外郭サークルとお考えいただき、できるだけご出席くださるようお願いいたします